何か新しいことにチャレンジしてみようってことで、軽い気持ちで飛行機の練習をはじめたのが半年前。
泥沼にはまりつつも、なんとかもう少しで取れそうなところまで来た。

まだ終わったわけではないのだけど、一番大変だったのは無線交信。
予想以上にパイロットはしゃべる仕事だということを痛感。

特に、私が練習している空域は、北米でも有数の混雑地帯で、無線交信の量がはんぱじゃない。
飛行中は、常に誰かがしゃべっているという感じ。そして、管制塔の指示がわからなかったら、最悪の場合、衝突の可能性もあるわけで、まさに命がけ。

それなのに、

・無線なのでノイズが大きい
・管制官が早口で訛っている
・パイロットも訛っている
・エンジンの音が大きい
・無線機がボロくて、たまに聞こえなくなる
・エリアによっては妨害電波が出ているみたい
・コクピットの中はただでさえ緊張して、頭の中が白くなる
・飛行機を操縦しながらの交信なので、無線に集中できない

・・・、もう、悪条件のオンパレード。究極の命がけリスニングというわけ。

15秒ほどの音声を用意したので、興味のある方は聞いてみてください。

音声ファイル(mp3ファイル)


私が聴き取った内容

100%正しいかどうかはわからないけど、一応つじつまは合っていると思います。

ME:
Bay Tower, GVNU, south to the gas staion on final.

TOWER:
VNU, Tower, thanks, you are No.2 for runway 25 following the Cessna traffic on the downwind right.
The traffic is keeping in close, reduce to final approach speed now.

ME:
VNU.

解説

着陸許可をもらうため、管制塔に現在位置をレポートしました。
GVNUは練習機の識別コード、Bay Towerは管制塔の名前です。

「管制塔、GVNUです。ガソリンスタンドの南で、最終アプローチにはいります」

ニュージーランドかオーストラリア出身の管制官が答えてくれました。

「VNU、管制塔だよ、連絡ありがとう」
「君は2番目の着陸になる。滑走路は25。右回りのdownwindにいるセスナの後だ」

滑走路25というのは、コンパス方位250度に向いている滑走路のことです。
滑走路を一辺とする長方形の飛行コースをサーキットと行って、離発着の場合には、まず、このサーキットに進入する形になります。
downwindというのは、サーキットの長方形のうち、滑走路と平行する部分を差します。
前のセスナがdownwindにいるということは、滑走路と反対向きに、つまり自分に向かって飛んできているということになります。

「そのセスナはサーキットを狭めている(keeping in close [to the runway])ので、君は今すぐ最終アプローチスピードまで減速してくれ」
「VNU、わかりました」

つまり、このまま行くと、私と前のセスナの間隔が近づいてしまうので、前のセスナはサーキットを小さくして早めに着陸し、それに続く私は、ぎりぎりまで速度を落として間隔を広げなさいということでした。

言葉で書くと何やら複雑ですが、要するに速度を落とせと言われたわけです。
(だったらはじめから一言、speed downとでも行ってくれた方がわかりやすいのだけど…)

ちなみに、これはカナディアンのインストラクターも認めていたことなのですが、航空管制の共通言語としてみたとき、英語は、必ずしも適当とは言えない部分があります。

それは、数字と前置詞の発音。
twoとto、fourとforは全く同じ発音で、しばしば混乱の原因となります。

climb to two thousand (2,000)
climb two two thousand (22,000)

意味はまったく違うのに、発音はまったく同じ。
うーむ、大変だ。